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once upon a time,

Iris Tradをビール片手に聞くのが好きなエンジニアが、機械学習やRubyにまつわる話を書きます

「学校教育の情報化に関する懇談会」のライブ配信が行われるそうです〜情報化と教育

最近、遅ればせながら色々と教育における情報化について調べることが多いのですが、こんな懇談会が4/22(木) 16:00-行われるそうです。(配信のリンクは文科省のトップからリンクが近々張られるそうです。)

「学校教育の情報化に関する懇談会」の開催について:文部科学省.

趣旨としては、

(1)授業におけるICTの活用について(デジタル教科書・教材、情報端末・デジタル機器、学校・教員等の在り方を含む)
(2)ICTを活用した 校務支援について
(3)ICTの活用に関する教員へのサポート等について
つまり、デジタル教科書を始めとする授業への情報端末の活用、情報機器を活用した採点業務などの効率化、情報端末を先生が使えるようにすること、について話が為されるようです。この懇談会への流れは、どうも原口総務大臣原口ビジョンとして「2015年までに全ての小中学校全生徒にデジタル教科書を」という目標を掲げていることが大きいようです。(こちらの記事が詳しいです)
本当は、懇談会の傍聴をしたかったのですが、既に満席とのことでライブ配信の恩恵にあずかろうと思います。(しかし、この時間は現場の先生見られるのでしょうか)

デジタル教科書と言えば、ソフトバンクの孫さん始めとした方々がデジタル教科書協議会の設立目指して動いているようです(ITProの記事,PDF)。また、従来の教科書会社も生き残りをかけて取り組んでいるようです。twitterでも#e_textbookで盛り上がっており、今とても熱い分野だと思います。紙の教科書からデジタルの教科書へ、大きなパラダイムシフトが起こる可能性があり技術者としてとてもワクワクします。

しかし、デジタル教科書についてもビジネス的に興味深いとは思いますが、個人的には上記懇談会の2,3番目の項目が気になります。特に、3についてかなり重要になってくるのではないかと思っています。

こちらに、平成20年度の公立小中高校等の学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果があるのですが(詳細なPDFはこちら)、資料を見て感じるのは「かろうじて授業準備にWordやExcel、インターネットが使える」という印象です。「A 教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力」、つまり授業の準備に情報機器が利用できるという項目が「わりにできる」と「ややできる」を併せて72.6%なのに対し、「B 授業中にICTを活用して指導する能力」が56.4%、「C 児童のICT活用を指導する能力」が58.5%と途端にできる人が少なくなっています。このままでは、デジタル教科書が普及したところで従来の紙の教科書と同じ使い方しか出来ないことが危惧されます。最大化の操作を教えられ感動し、最小化の操作まではちょっと覚えられない、と言われた先生もいらっしゃるとか……。前者の72.6%もどの程度できるのかというのを、それこそ一度全国一斉に試験をしてみた方が良いのかもしれません。

また、少し話がそれますが、「D 情報モラルなどを指導する能力」は4つ項目があり平均すると66.8%なのですが、よくよくみてみると、D1〜3の「情報社会での行動に責任を持ち、相手のことを考えた情報のやりとりができるように指導」のような一般的に情報化社会についての技術的なことにあまり依存しない3項目の平均を取ると68.6%、それに対し「D4 児童がパスワードや自他の情報の大切さなど、情報セキュリティの基本的な知識を身につけることができるように指導する」が61.3%と落ちています。現状の情報技術や動向を大まかにでも知らず一般的な倫理道徳感だけでは、情報モラルを教えきるのは厳しいのではないかと私は不安に思います。
一方で、愛知県の情報モラルの教育手引き(記事)や、情報モラル研修教材2005Flashによる体験教材、岩手県立総合教育センターによる情報モラル教育のための体験ソフトウェアなど、インタラクティブに分かりやすい教材を提供しようという機運は高まっているように思います。こうした教材の情報がもっと分かりやすく提供されるような、こちらのようなポータルサイトtwitterのアカウントなどで広まってもよいのかもしれません。

将来はこうした教材の共有や校務分掌などが全部クラウドの向こう側に置かれて、先生や保護者が意識することなく教育できるようになるのかもしれない、と淡い期待と共に妄想しています。
個人的には情報モラル、ネットリテラシーについては新しい技術がどんどん出る中、保護者でのフォローしきるのは難しいとも思いますので、社会全体で支えられる枠組みが出来れば、と思います。また、技術者としてそうした枠組みを作るお手伝いができたら幸せです。