once upon a time,

Iris Tradをビール片手に聞くのが好きなエンジニアが、機械学習やRubyにまつわる話を書きます

Apple Music のプレイリストを中心としたレコメンド戦略

膨大な音楽というコンテンツの海に放り出された時に、人は何をするだろうか。

今回Apple Musicをさわってみて、様々な路線から音楽との出会いをつくろうとしているな、と感じたのでまとめておく。

きっと、Apple Musicについてその辺の話がbackspace.fmで出てくるかなと思って期待していたんだけど、どちらかというと話の中心は「邦楽がない」みたいなコンテンツの内容中心だった。*1

#105: Apple Musicが変える音楽の世界 – backspace.fm

放送中に、 @mazzo さんの意見を読んでいてなかなか良かったんだけど、更に見てみると西田さん (@mnishi41) の記事がとても良くまとまっていた。

【西田宗千佳のRandomTracking】Apple Music開始で考える「日本のストリーミング・ミュージック」 - AV Watch

大体言いたいことが記事に書いてあるんだけど、以下の気になった4点を補足したい。

  • プレイリストを中心としたレコメンドは、音楽にはあっている
  • 曲やアーティストから展開できる「ステーション」は、YouTubeのミックスリストと同じ世界をめざしている
  • 影響を受けたアーティスト/同じタイプのアーティストといったデータベースとしてもきっちり作ってきている
  • 「アクティビティ」がいい感じ

プレイリストと音楽

プレイリストは「誰か詳しい人の意図したテーマ」を介してレコメンドできるので、理由が伝えやすくて受け入れやすい。

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例えば、「雨の日に家で聴きたいロック集」なんてのが雨の日に出されると、「お、聞いてみようかな」って感じになる。 もう一つ、楽曲がApple Musicに増える速度よりも、プレイリストが増える速度の方が速くすることができるので、変化を生みやすい。これは、毎日聞きながらLove(♡)をつけることで、どんな変化がするのか、というのを楽しむことがしやすいし、ある一定の場所にサチるのを抑えることができる。

まつおさんの話でもあったけど、Appleが金をかけてプレイリストを作りこむのは、多様性を確保するためだと思う。 素人のプレイリストが山ほどあっても最終的にはマス指向の平均的なものになってしまって、何の楽しさも得られない。 そういう意味では、誰かが真剣に考えた切り口=プレイリストとして価値が大きいんだと思う。

ステーション

ステーションは、アーティストや楽曲を起点として、連続で曲が聞けるものである。ぶっちゃけ、YouTubeのミックスリストのApple Music版である。 YouTubeのミックスリストは良いんだけど、音質が悪い曲とかに行き当たることがあったり、広告動画が入ったりちょっと嬉しくないシーンも有った。けど、Apple Musicではお金を払っていい感じの曲を無限に聞くことができるわけである。

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しかも、OS組込みで好みに合うか否かを★でフィードバックできるのだ。 こりゃ凄い。

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ちなみに、ちょっとアグレッシブだなと思うのが、アーティスト名で検索してアーティストリストに到達すると勝手にフォローする所。これは、ちょっと意図していなかったかも。

データベースの作り込み

押尾コータローと同じタイプのアーティストに、村治佳織ゴンチチを出す、みたいな、ベーシックなアーティスト間の関係性をきっちりと作りこみをしている。これは凄い。 「影響を与えたアーティスト」みたいなのも用意しているので、プレイリストで「エリック・クラプトンが影響をうけたサウンド」みたいなのもできるわけだ。

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ユーザー自信に回遊をさせるためだけでなく、プレイリストを作るためにもデータをきっちり作りこんでいる。天晴である。

アクティビティ

これだけでなく、シーンにそったプレイリストを用意してくれている。 場所が凄いわかりにくいのだけど、Newの下の方にある。 おもてなし、ドライブといった定番のものだけでなく、作業中、勉強中、失恋、目覚め、といったものまである。

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こういうシーンやフィーリングに対して楽曲を提供するのは、未知の曲に出会うきっかけとしては良いと思う。プレイリストはURLを持っているので、さながらネットで共有できるラジオだ。

雑感

Apple Musicの"For You"の初期の精度がいまいちだし、邦楽少ないし微妙だなーと最初は思ったのだが、好きなアーティストが居ることがわかった瞬間にどんどんはまっていったし、そこから♡をつけることで、知らなかったけど好きなアーティストと似たジャンルのアーティストが出てきて楽しくなってきている。

プレイリストというテーマを提案するのは、これからのレコメンドでは結構重要になってくるのではないかと思っているが、それ以外にも全力で攻めてきている感じが好感を持てて良い。

*1:この放送中の話では、初期のレコメンドの設定がBeats Musicのそれと同じらしい